バンコマイシンとピペラシリン/タゾバクタムの併用はAKIリスク
A Large-Scale Multicenter Retrospective Study on Nephrotoxicity Associated With Empiric Broad-Spectrum Antibiotics in Critically Ill Patients
背景
バンコマイシンとピペラシリン/タゾバクタムの併用は、バンコマイシン単独の場合と比して急性腎障害(AKI)発症を増加させると指摘されている。
The University of TexasのChenらは、335施設で2010年から2015年にかけてのICU入室を記録したeICU Research Instituteのデータを用い、バンコマイシン・ピペラシリン/タゾバクタム併用(VPT)、バンコマイシン・セフェピム併用(VC)、バンコマイシン・メロペネム併用(VM)とAKI(KDIGOステージ2-3)の関連を調査する後向コホート研究を実施した(n=35,654)。
結論
VPTは、VCまたはVMと比して高いAKIリスク(オッズ比 1.27-1.37)、透析リスク(1.28-1.56)と関連した。AKI発症リスクは、初期に腎不全がなく、より長期のVPT療法を受けた患者で顕著であった。
評価
VPTは、他と比べて腎リスクを有意に上昇させた。リスクは長期使用患者でより顕著であった。バンコマイシンとピペラシリン/タゾバクタムの併用は避け、セフェピムあるいはメロペネムとの併用を考慮すべきである。