fit CLLの初回治療は抗CD20抗体+BTKi:GAIA-CLL13試験
First-Line Venetoclax Combinations in Chronic Lymphocytic Leukemia
背景
慢性リンパ性白血病患者(CLL)の治療は、BTK阻害薬やBCL2阻害薬ベネトクラクス、抗CD20抗体の登場により大きく変化している。
ドイツUniversity of CologneのEichhorstらは、TP53異常がなく標準治療が実施可能(fit)な進行CLL患者を、化学免疫療法(A群)、ベネトクラクス+リツキシマブ(B群)、ベネトクラクス+オビヌツズマブ(C群)、ベネトクラクス+オビヌツズマブ+イブルチニブ(D群)へと1:1:1:1で割り付ける第3相ランダム化比較試験GAIA-CLL13を実施した(n=926)。
結論
15ヵ月時点で微小残存病変が検出不能レベルであった患者の割合は、C群(86.5%)、D群(92.2%)で、A群(52.0%)より有意に高かった。B群(57.0%)では有意な差はなかった。3年無増悪生存率はA群の75.5%に対して、C群で87.7%(ハザード比 0.42)、D群で90.5%(0.32)と、ともに有意に高く、B群では有意差はなかった(80.8%, ハザード比 0.79)。
評価
ベネトクラクスと抗CD20抗体オビヌツズマブによる二剤療法、さらにBTK阻害薬イブルチニブを加えた三剤療法により、化学免疫療法を大きく上回る治療効果を実現した。この2群の3年PFSは、これまでにCLL初回治療で報告された成績として最良のもので、TP53異常のないfit CLL患者に強力なオプションがもたらされた。