急性腹痛での単純CTは低精度
Diagnostic Accuracy of Unenhanced Computed Tomography for Evaluation of Acute Abdominal Pain in the Emergency Department
背景
救急の急性腹痛患者に対して腹部・骨盤部CT画像検査を行う際、造影剤アレルギーの問題や重度の腎疾患により、造影剤を投与しないケースもあるが、診断精度への影響は?
アメリカColumbia UniversityのShaishらは、急性腹痛の評価のためdual-energy造影CT検査を受けた救急の成人連続患者(n=201)を対象に、非造影CTの診断精度を検証する多施設後向研究を実施した。はじめに3名のブラインド化された放射線科医により、造影CT画像の読影を行って参照標準とし、その後dual-energy法により、造影剤をデジタルにサブストラクションし、得られた非造影画像を研修医3名を含む6名の放射線科医が読影した。
結論
非造影CTの全体精度は70%であった。研修医と比べてファカルティ医では一次診断における精度は高く(82% vs. 76%)、逆に介入可能な二次診断における精度は低かったが(87% vs. 90%)、これは一次診断における偽陰性の少なさ、二次診断における偽陽性の多さによるものであった。
評価
非造影CTの精度は、参照標準である造影CTと比して30%低かった。造影CTのベネフィットは大きいと考えられ、造影剤のリスクが高くない患者では造影CTを行うべき、ということになろう。