ISCHEMIAが、慢性冠疾患患者への侵襲的vs.保存的アプローチの「差なし」結論を補強
Health Status and Clinical Outcomes in Older Adults With Chronic Coronary Disease: The ISCHEMIA Trial
背景
Ischemiaは、慢性冠疾患(中等度/重度虚血)患者に対する侵襲的 vs. 保存的初期アプローチの優劣を比較するランドマーク研究であり、主要結果は2020にNEJM報告された。
同研究のアメリカNguyen(Saint Luke’s Mid America Heart Institute)らは、侵襲的/保存的治療のアウトカムに対する年齢の影響を検討する二次解析結果を報告している(n=4,617)。
結論
ベースラインのSAQサマリースコアは、65歳未満の参加者でより低かった。1年間のSAQサマリースコアの完全調整済み差(侵襲的マイナス保存的)は、55歳で4.90、65歳で3.48、75歳で2.13であった。SAQ狭心症頻度の改善は、年齢への依存度が低かった。複合臨床アウトカムで、侵襲的治療と保存的治療の間に年齢差はなかった。
評価
一次報告(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmoa1915922)の「差なし」結果が衝撃的であったため、「差のある部分集団があるのではないか」という疑念が提起され、最も差のありそうな年齢層別化分析を行ったものである。「差なし」結果をさらに補強した。

