コントロール不良高血圧患者を理髪店で治療
A Cluster-Randomized Trial of Blood-Pressure Reduction in Black Barbershops
背景
黒人男性の高血圧コントロールは、「社会問題」に近いアメリカの医療問題である。Cedars-Sinai Medical CenterのVictorらは、319名の黒人男性(52の理髪店に通う)を対象として、理髪店内での(医師指示による)薬剤師による高血圧治療の有効性を検証するRCTを行った(対照:理髪店員による勧奨)。一次アウトカムは、6ヶ月時点での収縮期血圧である。
結論
理髪店での薬剤師による介入は、一次アウトカム有効であった。6ヶ月時点で、収縮期血圧は介入群で27.0mmHg低下したのに対し、コントロール群では9.3mmHg低下であった。血圧正常化患者率でも介入は有効であった(63.6% vs. 11.7%)。介入群での有害事象は3例であった(AKI)。
評価
医院には通わなくてもバーバーには通う、ということに目を付けた卓抜なアプローチで、RCT有効性がテキサスから2011年に報告されたが(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20975012)、それは店員がスクリー二ングして医師受診を勧奨するという介入であった。このLA試験は 薬剤師を配置して医師の指示のもとに降圧薬を投与する、という更に踏み込んだ介入である。ファンディングが得られるかどうかが興味深い。