コントロール不良高血圧患者を理髪店で治療
A Cluster-Randomized Trial of Blood-Pressure Reduction in Black Barbershops

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
April 2018
378
開始ページ
1291

背景

黒人男性の高血圧コントロールは、「社会問題」に近いアメリカの医療問題である。Cedars-Sinai Medical CenterのVictorらは、319名の黒人男性(52の理髪店に通う)を対象として、理髪店内での(医師指示による)薬剤師による高血圧治療の有効性を検証するRCTを行った(対照:理髪店員による勧奨)。一次アウトカムは、6ヶ月時点での収縮期血圧である。

結論

理髪店での薬剤師による介入は、一次アウトカム有効であった。6ヶ月時点で、収縮期血圧は介入群で27.0mmHg低下したのに対し、コントロール群では9.3mmHg低下であった。血圧正常化患者率でも介入は有効であった(63.6% vs. 11.7%)。介入群での有害事象は3例であった(AKI)。

評価

医院には通わなくてもバーバーには通う、ということに目を付けた卓抜なアプローチで、RCT有効性がテキサスから2011年に報告されたが(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20975012)、それは店員がスクリー二ングして医師受診を勧奨するという介入であった。このLA試験は 薬剤師を配置して医師の指示のもとに降圧薬を投与する、という更に踏み込んだ介入である。ファンディングが得られるかどうかが興味深い。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)