アメリカ感染性心内膜炎CIEDs患者でのTLE実行率は11.5%
Low Utilization of Lead Extraction Among Patients With Infective Endocarditis and Implanted Cardiac Electronic Devices

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
May 2023
81
開始ページ
1714

背景

植え込み型心臓電気デバイス(CIEDs)の利用汎化に伴い、関連感染症が増えている。特にガイドラインは、心内膜炎(IE)患者は経静脈リード抜去(TLE)のクラスI適応としている。
アメリカWeill Cornell MedicineのCheungらは、Nationwide Readmissions Database(NRD)に基づき、2016〜2019年のCIEDs・IE 25,303件のデータを解析した。

結論

CIEDs・IE入院患者でTLE管理されたのは11.5%であった。この率は、2016〜2019年にかけて大幅に増加した(7.6% vs. 14.9%)。関連処置合併症は2.7%で確認された。死亡率は、TLE患者で有意に低かった(6.0% vs. 9.5%)。黄色ブドウ球菌感染症・ICD・病床数は、TLEと独立して関連していた。TLEは、高齢・女性・認知症・腎臓病患者で低率であった。

評価

ガイドラインの非順守を明らかにする、驚くべきデータである。JACCEditorialは、「終末期疾患・患者強選好でない限り、TLE以外はunacceptable」と言明している。医療訴訟のテーマともなりえる事態である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)