ACSへのPCI後DAPTのde-escalation:個別患者レベルメタアナリシス
Dual antiplatelet therapy de-escalation in acute coronary syndrome: an individual patient meta-analysis
背景
急性冠症候群(ACS)患者へのPCI後DAPTのde-escalationに関して、多大なデータが蓄積されている。
韓国Seoul National UniversityのParkらは、これをテーマとした4RTC(TROPICAL-ACS・POPular Genetics・HOST-REDUCE-POLYTECH-ACS・TALOS-AMI)の個別患者データレベルメタアナリシスを行った(n=10,133)。一次エンドポイントは、PCI後1年間の虚血性複合エンドポイント(心臓死・心筋梗塞・脳血管イベントの複合)および出血性エンドポイント(全出血)である。
結論
虚血性エンドポイントは、de-escalation戦略患者で、標準戦略患者より有意に低かった(HR 0.761)。出血エンドポイントでも同様であった(HR 0.701)。
全死亡・大出血イベントに有意差はなかった。ガイド付きde-escalationと比較して、ガイドなしde-escalationは出血エンドポイント減少に有意に大きなインパクトを与えた。虚血エンドポイントについては、群間差はなかった。
評価
テーマは重要で、すでに複数のメタアナリシスがあるが、ここでの結論は2021の日本研究と一致している(https://www.jacc.org/doi/10.1016/j.jacc.2021.06.012)。ガイドなしde-escalationの方が出血が少ない、という結果に関しては、著者らは個別RCTの特性の差を指摘し、ガイドなしを普遍的推奨とすることは回避している。