「AFへのジゴキシンに死亡リスク」懸念を裏書き
Digoxin and Mortality in Patients With Atrial Fibrillation
背景
心房細動(AF)患者には、特にレートや心不全のコントロールが必要な場合ジゴキシンが選好される場合も多い。Duke UniversityのLopesらは、ARISTOTLE臨床試験データの傾向スコアマッチ比較解析により、ジゴキシンでAF患者の死亡率が上がる、という仮説を検討した(n=17,897)。
結論
血中ジゴキシン濃度0.5-ng/ml上昇当たり死亡ハザード比が19%上昇し、1.2 ng/ml以上になると死亡のHRは1.56となる。この結果は心不全の有無とは関わらなかった。試験中にジゴキシン服用を開始した患者は、死亡(aHR:1.78)・突然死(aHR:2.14)リスクが上がった。
評価
長くくすぶっている問題で、最近ではTREAT-AF結果が懸念を強めた(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25125296)。それと同方向の結果であり、同薬の適応はさらに限定されよう。