Lp(a)の心血管リスクはCRP値とは無関係?
Lipoprotein(a) is linked to atherothrombosis and aortic valve stenosis independent of C-reactive protein

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
European Heart Journal
年月
April 2023
44
開始ページ
1449

背景

Lp(a)の動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)リスクは周知だが、そのリスクはCRPレベルと関係するか。
デンマークCopenhagen UniversityのNordestgaardらは、Copenhagen General Population Studyの参加者68,090名の前向観察研究により、この問題を検討した。

結論

中央値8.1年の追跡期間中に、ASCVD 5,104名がASCVDを、2,432名が心筋梗塞(MI)を、1,220名が大動脈弁狭窄症(AS)を発症した。ASCVD・MI・ASのリスクは、Lp(a)とCRPの両値が高いほど増加した。しかし、Lp(a)91 〜 100 パーセンタイル/ 1 〜 33 パーセンタイルでのaHRは、ASCVD・MI・ASのすべてで、CRPが 2 mg/L 以上の場合の方が2mg/L未満の場合より低かった。10 年間絶対リスクが最も高いのは、Lp(a)レベルが 91〜100パーセンタイルでCRPが 2 mg/L 以上の 70 〜 79 歳の男性であった。

評価

著者らの結論は、Lp(a)の心血管疾患リスクはCRP高値のリスクと独立している、というものである。いくつかの既存研究とは齟齬するが、Lp(a)標的化治療の重要性を主張する結果となった。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)