Lp(a)の心血管リスクはCRP値とは無関係?
Lipoprotein(a) is linked to atherothrombosis and aortic valve stenosis independent of C-reactive protein
背景
Lp(a)の動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)リスクは周知だが、そのリスクはCRPレベルと関係するか。
デンマークCopenhagen UniversityのNordestgaardらは、Copenhagen General Population Studyの参加者68,090名の前向観察研究により、この問題を検討した。
結論
中央値8.1年の追跡期間中に、ASCVD 5,104名がASCVDを、2,432名が心筋梗塞(MI)を、1,220名が大動脈弁狭窄症(AS)を発症した。ASCVD・MI・ASのリスクは、Lp(a)とCRPの両値が高いほど増加した。しかし、Lp(a)91 〜 100 パーセンタイル/ 1 〜 33 パーセンタイルでのaHRは、ASCVD・MI・ASのすべてで、CRPが 2 mg/L 以上の場合の方が2mg/L未満の場合より低かった。10 年間絶対リスクが最も高いのは、Lp(a)レベルが 91〜100パーセンタイルでCRPが 2 mg/L 以上の 70 〜 79 歳の男性であった。
評価
著者らの結論は、Lp(a)の心血管疾患リスクはCRP高値のリスクと独立している、というものである。いくつかの既存研究とは齟齬するが、Lp(a)標的化治療の重要性を主張する結果となった。


