アリロクマブの短期集中治療にエビデンス:ODYSSEY OUTCOMES
Transiently achieved very low low-density lipoprotein cholesterol levels by statin and alirocumab after acute coronary syndrome are associated with cardiovascular risk reduction: the ODYSSEY OUTCOMES trial
背景
ODYSSEY OUTCOMESは、スタチン+PCSK9阻害薬のLDL-C低減効果を示すランドマーク試験であった。
同試験のアメリカSchwartzら(University of Colorado)は、急性冠症候群(ACS)患者18,924名に対するアリロクマブ・スタチンの最大用量短期継続の効果を検討する後向分析を行った。アリロクマブで2回連続してLDL-C値が0.39mmol/L(15mg/dL)未満の患者を、試験の残りの期間、スタチン治療を継続しながら盲検下で実薬をプラセボに置換した。事後解析により、これらの患者の主要有害心血管イベント(MACE)を、ベースライン特性および治験薬アドヒアランスが類似したプラセボ群から、傾向スコアマッチした患者のMACEと比較した。
結論
スタチンとアリロクマブでLDL-C値<0.39mmol/Lを短期間で達成し、その後スタチン単独療法に移行した場合、中央値2.8年の追跡期間を通じてスタチン単独療法よりMACEリスクが低かった(HR 0.72)。この臨床的有用性は数年間持続した。
評価
「レガシー効果」として注目されているもので、スタチン・アリロクマブ併用の場合のアリロクマブで、それを確認した。同薬の短期集中使用という治療モデルにエビデンスを与える重要で興味深い知見である。