肥満代謝マルチオミックス解析が提示する「メタボロミックBMI」
Multiomic signatures of body mass index identify heterogeneous health phenotypes and responses to a lifestyle intervention
背景
肥満研究にマルチオミックスが導入される時代が到来した。
アメリカInstitute for Systems BiologyのRappaportらは、ウェルネスプログラム(Arivale)登録者1,277名の健康成人血液サンプルを用いて、BMI変化に関連する1,111種血液成分の分析を行った。
結論
マルチオミックスの機械学習は参加者の代謝・腸内細菌叢表現型状態を予測し、通常BMI値による予測に優った。これはTwinsUKコホートでも確認された。さらに、健康的ライフスタイル介入に対し、メタボロミックベースBMIは通常BMIより大きく低下する一方、プロテオミクスベースBMIは変化により抵抗した。
評価
肥満代謝研究にメタボロミクス・MLを初めて本格的に導入し、「旧来BMIでなくメタボロミックBMIを」というメッセージを発した。特に、体重減の有無に関わらず代謝健康は改善しうる、という観察は重要である。類似研究は急速に増えており、肥満研究は一新されることになろう。