プロポフォールは有害なのか:RCTのメタ解析
Propofol and survival: an updated meta-analysis of randomized clinical trials
背景
プロポフォールは周術期患者・重症/救急患者で頻用される鎮静薬であるが、有害性を示唆するエビデンスが蓄積されている。
イタリアSan Raffaele HospitalのKotaniらは、システマティックレビューにより、すべての臨床セッティングでプロポフォールと他の鎮静薬を比較したランダム化比較試験を特定し、死亡率への影響についてメタアナリシスを実施した。
結論
30,757名の患者を登録した、252件のランダム化比較試験が特定された。プロポフォールの死亡率は対照薬より高く(5.2% vs. 4.3%, リスク比 1.10)、ベイズ主義アプローチでは、プロポフォールにより死亡率が上昇する確率は98.4%であった。サブグループ別では、心臓手術患者、成人患者、対照薬が揮発性薬剤、サンプル数500以上の大規模研究、対照薬の死亡率が低い研究において、プロポフォールの死亡率上昇は有意であった。
評価
速やかな効果発現・短い持続時間のために便利に用いられているプロポフォールだが、このメタ解析ではプロポフォール使用患者で死亡率の上昇が認められた。この問題を直接検証する大規模なランダム化比較試験が必要である。