小児救急でのビデオ喉頭鏡で初回成功率が上昇
Video-Assisted Laryngoscopy for Pediatric Tracheal Intubation in the Emergency Department: A Multicenter Study of Clinical Outcomes
背景
ビデオ喉頭鏡による気管挿管は、特に挿管困難症例を始め選択されることが増えているが、小児における有用性は確定していない。
アメリカBoston Children's HospitalのMillerらは、2件の小児気道管理コンソーシアムからのデータを用いた観察研究を実施し、救急外来の小児気管挿管でのビデオ喉頭鏡の使用と初回挿管成功率・気道有害アウトカムとの関連を調査した。
結論
11施設から1,412件の気管挿管が含まれた。全体の初回挿管成功率は70.0%であり、ビデオ喉頭鏡は成功率の上昇(オッズ比 2.01)、重度の気道有害アウトカムの減少(0.70)、重症低酸素症の減少(0.69)と関連した。ビデオ喉頭鏡を使用した挿管の割合は施設ごとに大きく異なり(12.9%〜97.8%)、80%を超える施設では初回成功率が高かった(オッズ比 2.30)。
評価
RCTのメタ解析は小児患者でのビデオ喉頭鏡の価値に疑問符を付けていたが(https://doi.org/10.1016/j.jclinane.2020.109968)、前向データを用いたこの観察研究では、ビデオ喉頭鏡の使用が高い初回挿管成功率と関連した。使用率の高い施設ほど初回成功率が高くなっており、技術の向上に寄与している可能性がある。