冠微小循環の非侵襲的・非造影評価法が登場
Gadolinium-Free Cardiac MR Stress T1-Mapping to Distinguish Epicardial From Microvascular Coronary Disease
背景
冠動脈微小循環障害をCMRで診断する新しい手法が同定された。イギリスUniversity of OxfordのFerreiraらによるもので、ガドリニウム不使用薬剤負荷T1マッピングである。90名の参加者(60名は狭心症、30名は健常者)をCMR検査し、左室機能・虚血・梗塞の侵襲的検査と比較評価した。FFRとIMRはCMR後1週間以内に評価した。
結論
薬剤負荷T1マッピングによる正常心筋のT1 reactivity(ΔT1)は1.5Tで6.2%、3Tで6.2%であった。閉塞性CADの下流虚血viabke心筋ではΔT1はほぼ完全に消滅した(0.7%)。他方、非閉塞性CADの下流虚血viable心筋では、ΔT1は3.0%であった。閉塞性CADにおける負荷T1マッピングは、ガドリニウムベースファーストパス灌流法より優れ、ΔT1=1.5%による閉塞性CAD検出の感度は93%、特異度は95%であった。また、ΔT1=4.0%による微小血管障害検出のAUCは0.95、感度94%・特異度94%であった。
評価
微小循環の非侵襲的・非造影評価法が登場した。同グループは一連の研究に関する2論文をJACCに併載しており、このT1 reactivity指標同定の基礎となった他論文では、非閉塞性CAD狭心症患者でCMR使用が有用であることを示している(http://www.onlinejacc.org/content/71/9/969)。