急性虫垂炎の非手術アプローチの役割は高齢者では異なる?
Outcomes of Nonoperative vs Operative Management of Acute Appendicitis in Older Adults in the US
背景
近年の研究は、急性虫垂炎に対する非手術的管理を説得力のあるオプションとして認めており、患者選択を詳細化する段階に入っている。
アメリカUniversity of Texas SouthwesternのMeierらは、Agency for Healthcare Research and Quality's National Inpatient Sampleから得た2004〜2017年の入院データを用いて後向コホート研究を実施し、合併症のない急性虫垂炎を有する成人患者における管理とアウトカムの関連が、高齢患者と若年患者で異なるか評価した(n=474,845)。
結論
コホート全体の年齢中央値は39歳であった。65歳以上の患者における非手術的管理は、入院期間・コストを増大させ、合併症リスクの3.72%の減少、死亡リスクの1.82%の上昇と関連した。65歳未満のアウトカムは、65歳以上と有意に異なっており、合併症・死亡率には僅かな差しかなく、入院期間・コストの差も小さかった。
評価
高齢患者では、手術・非手術のアウトカム差は若年患者と異なっていた。この点をより詳細に理解するには、年齢を基準とするランダム化比較試験が求められる。