多枝病変ACS患者の非責任病変への完全血行再建は即時に:BIOVASC
Immediate versus staged complete revascularisation in patients presenting with acute coronary syndrome and multivessel coronary disease (BIOVASC): a prospective, open-label, non-inferiority, randomised trial
背景
多枝病変を有するST上昇型心筋梗塞(STEMI)・急性冠症候群(ACS)患者には非責任病変に対するPCI 完全血行再建(CR)が推奨されるが、即時施行か段階的(staged)施行かは論争的である。
オランダ Erasmus University のMieghemら(BIOVASC)は、これを比較検証するRCTを行った(n=1,525)。一次アウトカムは、全原因死亡・心筋梗塞・予期外虚血因血行再建・脳血管イベントの複合である。
結論
一次アウトカムに群間差はなく、即時CRの非劣性を認めた。また、即時CR群は、MIおよび予期外虚血因血行再建の発生率が低かった。
評価
論争点に対し「即時が良い」という方向性を打ち出す重要なエビデンスで、ガイドラインにインパクトがある。ただし、この試験は FFR/iFR・IVUS・OCTの使用に関して指定しておらず、重要となりつつある治療判断要因がコントロールされていなかった。