CABGとPCIの死亡率:個別患者レベルメタ解析
Mortality after coronary artery bypass grafting versus percutaneous coronary intervention with stenting for coronary artery disease: a pooled analysis of individual patient data

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The Lancet
年月
March 2018
391
開始ページ
939

背景

CABGとPCIの比較試験は膨大で、メタ解析も複数存在する。オランダのErasmus UniversityのHeadらは、CABG/PCIの死亡率を比較した11RCT(2017年7月まで)の個別患者レベルメタ解析を行った(n=11,518)。多枝またはLAD病変の非AMIで、生存転帰を1年以上フォローアップされている患者を選択した。

結論

平均SYNTAXスコアは26.0(22.1%は33以上)であった。5年死亡率はPCIが劣った(11.2% vs. 9.2%、HR:1.20)。この差は、特に多枝病変患者(HR:1.28)・DM合併患者(HR:1.48)に因るもので、非DM患者では有意差がなかった。LAD病変患者では有意差は認められなかった。

評価

現在のコンセンサスをほぼ確認し、DM・多枝病変患者でのCABG選好を担保した。著者らは、全般的な差を明らかにするためには超長期追跡が必要であろう、としている。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)