救急医は勤務時間の1/4を疲労状態で働く
Objective assessment of sleep and fatigue risk in emergency medicine physicians
背景
救急外来では交代勤務制が一般的であり、疲労は重大な問題と考えられるが、救急医療体制における医師の疲労は十分研究されているとは言えない。
アメリカWake Forest School of MedicineのFowlerらは、スマートフォン・アプリと連携し、睡眠指標を定量化し、将来の疲労を予測する活動量計ReadiBandを、17名の救急医(9名が女性、2名が夜勤専従 [ノクターニスト])の手首に装着し、睡眠と疲労リスクを評価した。
結論
3,083時間の勤務時間データから、救急医の睡眠は質(平均 7.71/10ポイント)と量(平均 6.77時間)が低く、睡眠効率は「正常」の範囲内であった。参加者は、勤務時間の50.6%をパフォーマンスが高い状態(Readiscoresが90%以上)、23.52%を疲労が高い(Readiscoresが80%未満:反応時間が遅く、事故・重大ミスのリスクが上昇)状態で過ごしていた。シフトの時間帯は疲労と有意に関連しており、夜勤は高い疲労と関連した。
評価
ウェアラブルデバイスを用いて定量的な疲労評価を行った研究で、救急医が勤務時間の実に1/4を疲労度が高い状態で過ごしていることを明らかにした。疲労を軽減するためのシステムレベルの介入が必要であり、ウェアラブルデバイスはその評価にも役立つだろう。