重症ASにおける心筋線維化:最大のマルチモーダル評価
Reappraising myocardial fibrosis in severe aortic stenosis: an invasive and non-invasive study in 133 patients
背景
CMRの汎用に伴い、心筋線維化(MF)の理解が深まっている。英St. Bartholomew's HospitalのMoonらは、外科的大動脈弁置換術を受けた重症症候性大動脈弁狭窄症(AS)患者を対象として、侵襲的生検・非侵襲的CMR(LGE・ECV定量)・バイオマーカー検査を併用してMFの詳細を検討した(n=133)。
結論
ASによるMFには3型があった:(i)線維化層を有する心内膜肥厚;(ii)心内膜下優位の微小瘢痕;(iii)びまん性間質線維症。コラーゲン容積率(CVF)は対照より上昇していた。LGEはCVFと相関し、ECVとは相関しなかった。LGEとECVはともに、NT-proBNP・hsTnTと独立に相関していた。高ECVは、LVリモデリング・左室駆出率・機能的能力の悪化と関連していた。ECVとLGEを組み合わせることで、LVリモデリング・バイオマーカー・組織学的パラメーター・機能的能力の劣化患者を正確に同定しえた。
評価
現在利用可能な全手法を動員した、この主題に関する最大の前向検討である。ASにおけるMFが複雑であること、LGE・ECV併用が最も予後予測能が高いことを示した。冠性心疾患の影響に関しては慎重に調整されている、という。


