CAR-T療法が再発・難治高リスク神経芽腫小児の半数で奏功
GD2-CART01 for Relapsed or Refractory High-Risk Neuroblastoma
背景
ジシアロガングリオシドGD2は神経芽腫で過剰に発現するため治療標的として注目されており、抗体療法に続いてキメラ抗原受容体発現T細胞による免疫療法(CAR-T細胞療法)も検討されている。
イタリアIRCCS Ospedale Pediatrico Bambino GesuのDel Bufaloらは、1~25歳の再発・難治高リスク神経芽腫患者を対象に、第三世代のGD2-CAR-T細胞療法(誘導性カスパーゼ9自殺遺伝子を発現するGD2-CART01)を検証する第1/2相臨床試験を実施した(n=27)。
結論
難治患者12名、再発患者14名、初回治療での完全奏功患者1名が登録され、GD2-CART01の投与を受けた。第1相の3用量で用量制限毒性は認められず、第2相推奨用量は最大の10×106個/kgに決定した。サイトカイン放出症候群は74%で発生したが、1人を除いて軽症であった。GD2標的CAR T細胞は、30ヵ月時点で1名を除いて末梢血検出可能であった。17名に治療奏功が認められ(63%)、9名が完全奏効であった。推奨用量の投与を受けた患者の3年生存率/無イベント生存率は、それぞれ60%・36%であった。
評価
完全奏効患者の多くで1年を超えて奏効が持続した。これまでCAR-T療法の有効性が低いと考えられてきた固形腫瘍に対して、有望結果が得られたことは意義深い。より早期での使用も検討されているという。