小児がんサバイバーの死亡リスクは高いが健康的生活で修正可能
Specific causes of excess late mortality and association with modifiable risk factors among survivors of childhood cancer: a report from the Childhood Cancer Survivor Study cohort
背景
小児がんの生存率は大きく改善しているが、真のリスクを理解するには小児がん経験者(サバイバー)のその後の晩期死亡を考慮する必要がある。Childhood Cancer Survivor Studyは、この問題に貴重なデータを提供する世界最大規模の小児がんサバイバーコホートである。
アメリカSt Jude Children's Research HospitalのDixonらは、北米31施設で1970年から1999年までに21歳以下で小児がんの診断を受けた5年サバイバーを(n=34,230)対象とし、晩期死亡率と死亡の原因を評価し、加えて死亡リスクの修飾因子を評価した。
結論
40年累積の全原因死亡率は23.3%であり、51.2%が健康関連原因による死亡であった。診断から40年以上経過したサバイバーの健康関連超過死亡10,000人年あたり131件であり、一般集団の三大死因、がん(54件)・心疾患(27件)・脳血管疾患(10件)での超過死亡が一般的であった。健康的なライフスタイルや高血圧・糖尿病がないことは、他の因子とは独立に20〜30%の死亡減と関連した。
評価
小児がんサバイバーの長期死亡に関する最も信頼できるデータ源である。サバイバーは二次がんだけでなく、他の一般的原因でも超過死亡が多かったが、健康的生活や高血圧・糖尿病の予防は、このリスクを抑制しうると考えられる。サバイバーシップ支援にとって重要な知見である。