米マイノリティの若者の心血管健康状況は改善していない
Cardiovascular Risk Factor Prevalence, Treatment, and Control in US Adults Aged 20 to 44 Years, 2009 to March 2020

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
March 2023
329
開始ページ
899

背景

近年の米若年者層で、心血管疾患リスクファクター有病率・治療率に変化はあったか。
アメリカBeth Israel Deaconess Medical CenterのWadheraらは、米National Health and Nutrition Examination Surveyの20〜44歳の参加者(n=12,924)を対象として、糖尿病(DM)・高血圧・脂質異常・肥満・喫煙の有病率・治療管理率を検討する連続横断研究を行った。

結論

2009〜2020年間にDM(3.0%から4.1%) ・肥満(32.7%から40.9%)の有病率は増加、高血圧(9.3%から11.5%)に大きな変化はなく、脂質異常症は低下した(40.5%から36.1%)。期間中、若年成人黒人が高血圧の最高有病率を有し(2009〜2010:16.2%・2017〜2020:20.1%)、メキシコ系米国人 (6.5%から9.5%)と、その他ヒスパニック系米国人(4.4%から10.5%)で有意な高血圧有病率増加があり、さらにメキシコ系アメリカ人においても有意なDM有病率増加があった。血圧管理に有意な変化はなかったが、治療者でさえ、血糖管理は不十分のままであった。

評価

米ヒスパニックラティノを対象とした心血管リスクファクター2012研究(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23117778/)では、プエルトリコ系で社会経済的弱者、またアカルチュレーションが高い方がリスクが高いと報告していた。米マイノリティの若者の心血管健康状況は改善していない。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)