側副血行のある主幹動脈閉塞では発症24時間まで血管内治療が有効:MR CLEAN-LATE試験
Endovascular treatment versus no endovascular treatment after 6-24 h in patients with ischaemic stroke and collateral flow on CT angiography (MR CLEAN-LATE) in the Netherlands: a multicentre, open-label, blinded-endpoint, randomised, controlled, phase 3 trial
背景
近年、前方循環系主幹動脈閉塞に対する血管内治療(EVT)は、DAWN試験・DEFUSE3試験・ESCAPE試験などによって6時間を超えてウィンドウを拡大している。EVTの適応判断にはいくつかの基準があるが、ESCAPE試験はCT血管造影(CTA)による側副血行による選択が有用であることを示唆している。
オランダMaastricht University Medical Center+のOlthuisらは、同国18施設でCTAにより前方循環系主幹動脈閉塞と側副血行路を認めた発症・最終健常確認後6-24時間の脳梗塞患者(DAWN・DEFUSE-3基準で後期EVTの対象となる患者は除外)を、内科的治療+EVTまたは内科的治療のみへと割り付け、90日後の修正ランキンスケール(mRS)スコアを比較する第3相ランダム化比較試験MR CLEAN-LATEを実施した(n=535)。
結論
90日mRSスコアの中央値はEVT群が3、対照群では4であり、EVT群のアウトカムが良好であることが認められた(調整共通オッズ比 1.67)。全原因死亡率はEVT群24%、対照群30%で有意差はなかった(調整オッズ比 0.72)。症候性頭蓋内出血はEVT群の7%、対照群の2%で発生した(調整オッズ比 4.59)。
評価
梗塞時の側副血行路の発達は、梗塞領域を限定し、機能的予後と関連する。本試験は、CTAを用いた側副血行評価が、EVTの有効な患者を選択しうることを明らかにした。