新生児の腰椎穿刺は座位で行った方が良い?:NeoCLEAR試験
Assessment of infant position and timing of stylet removal to improve lumbar puncture success in neonates (NeoCLEAR): an open-label, 2×2 factorial, randomised, controlled trial
背景
新生児で細菌性髄膜炎などが疑われる場合、腰椎穿刺を行うことが一般的だが、穿刺成功率には改善の余地がある。新生児での腰椎穿刺は通常、介助者が処置台上に児を横たわらせ、背中を丸めた体勢にするという、成人と同様の体位で行われる。
イギリスOxford University のMarshallらは、同国21ヵ所の新生児科・産科ユニットで腰椎穿刺を必要とした補正在胎期間27+0週から44+0週で体重1,000 g以上の乳児を、座位または横臥位、針の先端を髄液中に進める前にスタイレットを抜く、早期スタイレット抜去または後期スタイレット抜去へと1:1:1:1で割り付ける2×2要因デザインによるランダム化比較試験NeoCLEARを実施した(n=1,082)。
結論
89%が正期産で、87%は日齢3日未満であった。初回穿刺成功率は、横臥位群よりも座位群で高く(63.7% vs. 57.6%, 調整リスク比 1.10)、スタイレット抜去のタイミングによっては差がなかった(62.0% vs. 59.3%, 1.04)。また事後解析によれば、座位群では横臥位群よりも酸素飽和度の低下が小さかった(初回穿刺時の最低酸素飽和度の中央値93% vs. 90%)。座位+後期スタイレット抜去群の1名が穿刺後2日目に陰嚢内血腫を発症した。
評価
新生児の腰椎穿刺について検証した過去最大の試験で、腰椎穿刺が初めて報告された1891年以来、スタンダードであった横臥位法にチャレンジした。座位では棘突起間距離が拡大し、脊髄くも膜下腔が拡がることが知られており、このことが穿刺成功率の向上につながったと思われる。