移植前寛解期の検出可能残存病変からAMLの再発を予測
DNA Sequencing to Detect Residual Disease in Adults With Acute Myeloid Leukemia Prior to Hematopoietic Cell Transplant
背景
急性骨髄性白血病(AML)における検出可能残存病変(MRD)の存在は、再発リスクを予測する重要な因子と考えられている。
アメリカNational Heart, Lung, and Blood InstituteのDillonらは、2013年〜2019年に111ヵ所の治療施設のいずれかで、FLT3・NPM1・IDH1・IDH2・KITの変異に関連するAMLに対する初回同種造血細胞移植を受け、移植前の血液サンプルでDNAシーケンシングが行われた成人患者を対象とした後向観察研究を実施し、第一寛解期のMRDと再発・死亡リスクとの関連を調査した(n=1,075)。
結論
822名がFLT3-ITD・NPM1変異患者であった。発見コホート(n=371)の17.3%において、移植前の血中にNPM1・FLT3-ITD変異が残存しており、移植後のアウトカム悪化と関連した。2018〜2019年に移植を受けた検証コホート(n=451)でも、17.3%でNPM1・FLT3-ITD変異の残存があり、高い3年再発率(68% vs. 21%, ハザード比 4.32)、低い3年生存率(39% vs. 63%, ハザード比 2.43)と関連した。
評価
寛解期の血中からFLT3-ITD・NPM1残存病変が検出された患者は、移植後の再発・死亡リスクが高かった。移植後の高リスク患者に個別化されたプレシジョンメディシンを提供する上で、不可欠な検査になりえる。