ACS後2次予防でのDOACの役割に結論?
Direct Oral Anticoagulants in Addition to Antiplatelet Therapy for Secondary Prevention After Acute Coronary Syndromes: A Systematic Review and Meta-analysis
背景
急性冠症候群(ACS)後の2次予防のための抗血小板療法へのDOAC追加の有効性・安全性に関しては、メタ解析が可能な段階に達している。イタリアHumanitas UniversityのChiaritoらは、473研究の系統レビューと6RCTのメタ解析の結果を発表している(n=29,667;[STEMI]14,580、[NSTE-ACS]15,036)。一次アウトカムは、心血管死・心筋梗塞・脳卒中、安全性アウトカムは出血である。
結論
DOACの一次アウトカム有効性を確認した(オッズ比0.85)。これはもっぱらSTEMI患者への効果によっており、NSTE-ACS患者では有意差を認めなかった。逆に 、安全性アウトカムでDOACの出血リスクも確認され(OR:3.17)、これはSTEMI・NSTE-ACS両患者でともに有意であった。
評価
STEMI患者でだけオプションとして考慮に値する、という分かりやすい結論となるが、なぜNSTE-ACS患者で有益でないか、という理由は明らかでなく、探求に値する。