重症TRのTEER治療にランドマーク試験:TRILUMINATE
Transcatheter Repair for Patients with Tricuspid Regurgitation
背景
重症三尖弁逆流に対する経カテーテルedge-to-edge修復術(TEER)の有効性・安全性は。
アメリカMinneapolis Heart Institute FoundationのSorajjaら(TRILUMINATE)は、これを検証するRCTを行った(n=350, 対照:薬物治療, 1年間追跡)。一次アウトカムは、全原因死亡・三尖弁手術・心不全入院・QoL(KCCQ評価)の複合である。
結論
TEERの一次アウトカム効果を認めた(win ratio 1.48)。死亡・三尖弁手術発生率・心不全入院には群間差がなく、KCCQスコアで、TEER群が12.3、対照群で0.6であった。30日後の三尖弁逆流重症度は、TEER群の87.0%、対照群の4.8%が中等度以下であった。TEER患者の98.3%は、30日以内に重度有害事象を発症しなかった。
評価
TEERの有益性を保証するランドマーク試験である。現時点では高度施設でのみ得られるアウトカムであり、さらなる追跡検証が必要だが、TriClipデバイスの改善は進んでおり、近未来にMitraClipのステータスに到達する可能性がある。