低流量低勾配ASの真の重症度を決める指標は
Dobutamine Stress Echocardiography for Management of Low-Flow, Low-Gradient Aortic Stenosis
背景
AHA/ACCガイドラインでは、大動脈狭窄の重症度指標はドブタミン負荷心エコー検査(DSE)における大動脈弁面積(AVA)≦1cm2・平均勾配(MG)≧40mmHgだが、批判的検証はない。Mayo ClinicのClavelらは、低LVEFの低流量・低勾配大動脈弁狭窄(LF-LG AS)患者(n=186)を対象として、MG・AVAに加えAVAProj(標準正常流量での推定AVA)を測定する有用性を評価した。
結論
コホート患者の57%で解剖学的重度狭窄を確認した。ピーク負荷MG≧40mmHg・ピーク負荷AVA≦1cm2各単独、およびそれらの合併の重症患者分類率が各48%・60%・47%であったのに対し、AVAProj≦1cm2のそれは70%であった。保存的に管理された患者の59%が追跡期間中に死亡したが、多因子調整後その予測因子はAVAProj≦1cm2だけだった(aHR:3.65)。
評価
「疑似重度AS」をいかに排除できるかという問題であり、LF-LG ASの場合に特に問題となる。AVAProjが重要であることが示唆されていたが、最良の予測因子であることを初めて示した。