高リスク早期乳がんの内分泌治療にアベマシクリブ併用が有益:monarchE試験
Abemaciclib plus endocrine therapy for hormone receptor-positive, HER2-negative, node-positive, high-risk early breast cancer (monarchE): results from a preplanned interim analysis of a randomised, open-label, phase 3 trial
背景
近年登場したCDK4/6阻害薬は、進行・再発のHR陽性・HER2陰性乳がんに対する標準治療となっているが、高リスクな早期乳がんに対しても検証が行われている。
イギリスRoyal Marsden NHS Foundation TrustのJohnstonらは、HR陽性・HER2陰性・リンパ節陽性で、再発リスクの高い早期乳がん患者(男性0.6%)を38ヵ国603施設で募集し、主治医選択の内分泌治療に加えてアベマシクリブ追加の有無を割り付けた第3相ランダム化比較試験、monarchE試験の最新中間解析の結果を報告した(n=5,637)。
結論
フォローアップ期間42ヵ月(中央値)で、無浸潤疾患生存期間(IDFS)は両群とも中央値未達であったが、既報のアベマシクリブのベネフィットが維持されていた(ハザード比 0.664)。4年IDFSのはアベマシクリブ追加群85.8%、内分泌療法単独群79.4%であった。死亡率はそれぞれ5.6%、6.1%であった(ハザード比 0.929)。アベマシクリブ群でのみ一般的なグレード3・4の有害事象として、好中球減少症・白血球減少症・下痢があった。重篤有害事象はアベマシクリブ群の15.5%、内分泌療法群の9.1%で発生し、治療関連死はそれぞれ2名、1名で発生した。
評価
全生存期間については、データがimmatureであったが、アベマシクリブ併用によるベネフィットは、すべてのサブグループで認められ、FDAの適応拡大承認を受けた。