Radial wall strain(RWS)は軽度冠動脈狭窄のリスク評価の好指標:FAVOR III China
Short-Term Risk Stratification of Non-Flow-Limiting Coronary Stenosis by Angiographically Derived Radial Wall Strain
背景
軽度冠動脈狭窄のリスク評価におけるradial wall strain(RWS)指標の役割りが注目されている。
中国上海交通大学のTuら(FAVOR III)は、同患者751名の824血管の解析により、リスク層別化におけるその役割を検討した。一次アウトカムは、1年後の血管起因エンドポイント(VOCE:血管関連心臓死・血管関連心筋梗塞[非手術関連]・虚血起因TVR)の複合である。
結論
VOCEは824血管中46血管で発生し、累積発生率は5.6%であった。最大RWS(RWSmax)は1年VOCEの予測因子であった(AUC 0.68)。VOCE発生率は、RWSmax>12%血管では14.3%、RWSmax≦12%血管では2.9%であった。RWSmax>12%は、軽度狭窄における1年VOCEの強い独立予測因子であった(aHR 4.44)。
評価
同グループはRWSが脆弱プラークの指標であることを提唱しており(https://eurointervention.pcronline.com/article/radial-wall-strain-a-novel-angiographic-measure-of-plaque-composition-and-vulnerability)、後向データで臨床的軽症患者の短期リスク層別化に直接応用できることを示した。広汎に追試されるべき提案である。