肥満は免疫チェックポイント阻害薬による有害事象と関連か
Association of Body Mass Index With the Safety Profile of Nivolumab With or Without Ipilimumab
背景
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)と肥満との関連はパラドキシキカルで、複数のがんで肥満がICI治療における生存率の改善と関連していることが報告されている。一方、肥満とICI治療の安全性との関連についてはデータは蓄積途上である。
アメリカUniversity of Texas MD Anderson Cancer CenterのMcQuadeらは、8種のがんについて行われたCheckMate試験14件の後向プール解析を行い、ニボルマブ単剤療法またはニボルマブ+イピリムマブ併用療法を受けた進行期がん患者におけるボディマス指数(BMI)と、免疫関連有害事象(irAEs)発生率との関連を検討した(n=3,772)。
結論
69%が男性で、年齢は中央値61歳であった。ニボルマブ単剤(3 mg/kg)療法を受けた患者(n=2,746)におけるirAEs発生率は、BMIが25未満の普通体重・低体重患者と比して、30以上の肥満患者で増加した(オッズ比 1.71)。ただし、グレード3・4のirAEsでは有意な差はなかったが(オッズ比 1.21)、女性患者に限れば肥満により、リスクが増加した(1.73)。併用療法ではリスクの差はみられなかった。
評価
免疫チェックポイント阻害薬は、肥満患者における重度でないirAEs増加と関連した。後向データではあるものの、irAEsモニタリング・管理の最適化に役立つ。