1.5T CMRは安全なのか
The effect of 1.5 T cardiac magnetic resonance on human circulating leucocytes
背景
心臓核磁気共鳴(CMR)検査にはイオン化放射線イメージングのような有害作用はないと考えられてきたが、これに挑戦するデータも現れてきている。英Manchester UniversityのMillerらは、in vitroにおける末梢血単核白血球(PBMC)のDNA統合性・細胞数・機能性、およびin vivoでのコホート研究(n=64)により、1.5T CMRの急性有害作用を検討した。
結論
1.5T CMRは、in vitro・in vivoともにDNA損傷につながらなかった。PBMCのヒストンH2AXリン酸化(γ-H2AX)には患者間に大きな差異があった。In vitroでの細胞統合性・機能性には変化がなかったが、in vivoで循環T細胞数がCMR後に有意に減少した。
評価
散発的に出てきていた基本的問題に関する現在まで最大の検証で、従前の陽性結果がばらつきによる可能性を示唆しつつも、「一応問題はないが多少の変化がみられる」とする結果を導いた。染色体への作用や発がん性の問題はさらに追及されるべきである。