メタボロミクス疫学で人工甘味料エリスリトールのMACEリスクを示す
The artificial sweetener erythritol and cardiovascular event risk
背景
エリスリトールは広汎に使われている人工甘味料である。
アメリカCleveland ClinicのHazenらは、その心血管リスク評価のため、Untargeted metabolomics(n=1,157)、targeted metabolomics(n=[米]2,149, [欧]833)解析、試験管内血小板活性化能検証、さらに前向パイロット介入試験による健康ボランティアへのエリスリトール曝露試験を行った。
結論
患者血中エリスリトール値と主要心血管イベン(MACE)リスクとの関連を認めた(最高 vs. 最低4分位の調整ハザード比 2.21)。試験管内試験でエリスリトールによる血小板活性化亢進を、また前向パイロット曝露試験でエリスリトール投与による血中エリスリトール値の血小板活性化閾値以上への上昇も確認した。
評価
「非代謝」糖であるため「無害」として承認されているばかりでなく、シュガー代替が推奨されてきた人工甘味料であり、この報告は衝撃である。人工甘味料の癌・心血管リスクを示す研究は散在したが、メタボロミクス手法を導入したこの研究は、より精緻で、大規模な洗い直しを正当化する。


