「カルシウム系腎結石の再発予防にサイアザイド」推奨を否定:NOSTONE
Hydrochlorothiazide and Prevention of Kidney-Stone Recurrence
背景
特にカルシウム系腎結石の再発予防にサイアザイド系利尿薬が推奨されているが、エビデンスは古い。
スイスUniversity of BernのFusterら(NOSTONE)は、416名の患者(63%が高カルシウム尿症)を対象として、この推奨を検証するRCTを行った(対照:プラセボ, 中央値2.9年追跡)。一次エンドポイントは、症候性腎結石の再発と放射線画像診断上の再発の複合である。
結論
ヒドロクロロチアジド(12.5 mg・25 mg・50 mg/ 日)の一次エンドポイント効果を認めなかった。実薬群で、低カリウム血症・痛風・新規発症糖尿病・皮膚アレルギー・血漿クレアチニン値上昇の頻度が高かった。
評価
1980年代から形成されてきた仮説で、2013のガイドラインで推奨されている(https://www.acpjournals.org/doi/full/10.7326/0003-4819-158-7-201304020-00005)。画像診断は進歩しているものの、根本的には従前とは異ならない方法で推奨を否定する結果を出した。規模を拡大した決定RCTを行う他はない。