MI‐PCI後のプラスグレル vs. チカグレロール対決試験に意外な結末
1-Year Outcomes of Patients Undergoing Primary Angioplasty for Myocardial Infarction Treated With Prasugrel Versus Ticagrelor
背景
PRAGUE-18は、急性心筋梗塞のPCI治療患者におけるプラスグレルとチカグレロールの効果を比較する初の対決試験だったが、直後結果では有意差がみられなかった。同試験のMotovskaら(チェコCharles University)は、その1年後結果を発表している(n=1,230)。一次エンドポイントは心血管死・MI・脳卒中である。
結論
1年後結果でも両者の間に有意差はみられなかった。ただし、プラスグレル群患者の34.1%、チカグレロール群患者の44.4%が経済的理由でクロピドグレルに切り替えており、これらの患者は、治験薬継続患者と比較してMACE・虚血リスクがともに低かった(虚血のHR:0.433)。
評価
対決試験の結果がイーブンであったことも重要だが、チェコでの経済的理由で試験離脱した患者でクロピドグレルの方が試験薬より優れていた、という面白い結果である。PCI後抗血小板療法の段階的縮減、という考え方を支持するものともみられる。