冠攣縮性狭心症に新仮説
Coronary Adventitial and Perivascular Adipose Tissue Inflammation in Patients With Vasospastic Angina
背景
冠攣縮性狭心症(VSA)の原因が血管外膜(ADV)・血管周囲脂肪組織(PVAT)にある、という画期的研究が現れた。日本Tohoku UniversityのOhyamaらによるもので、アセチルコリン誘発性VSA患者27名を対象、13名の無攣縮患者を対照として、18F-FDGPET/CT・OCT画像分析、および循環白血球Rho-kinase活性の実測を行った。
結論
18F-FDG PET/CTでは、VSA患者は冠血管PVAT量と冠血管周囲のFDG集積が有意に増加していた。OCTでは、VSA群でADVのVasa Vasorum形成が有意に増加しており、Rhoキナーゼ活性も同様であった。Caブロッカー治療により、冠血管周囲のFDG集積とRhoキナーゼ活性は有意に低減した。
評価
VSAに関して血管内層での異常が注目されてきたが、ネガティブ所見が多かった。視点を変えた優れた着眼の仮説を、イメージング・生化学分析で裏付けた。世界的にフォローされることになろう。