LQTSの16%は誤診
Phenotypes of Overdiagnosed Long QT Syndrome
背景
QT延長症候群(LQTS)の診断は重要帰結をもつが、トリッキーである。
アメリカMayo ClinicのAckermanらは、LQTSの誤診・過剰診断の状況解明のために、LQTSとの診断後精検により診断が覆された患者1,841名について、EHRの再調査を行い、その詳細を調査した。
結論
最初にLQTSと診断された患者の16%で精検後診断が覆された。誤診・過剰診断の主原因は、血管迷走神経性失神に続発するQTc延長、次いで、主要LQTS遺伝子バリアントの遺伝子検査結果が一見陽性だったが(23%)最終的には臨床的意義なしと判断されたこと、であった。さらに、LQTSとは無関係と思われるSCDの家族歴がある(16%)、孤立性/一過性のQT延長(15%)、U波誤認(14%)、により誤診を受けた患者もいた。
評価
「LQTSの16%は誤診」という衝撃的なMayo報告である。血管迷走神経失神に続発する QTc 延長が第一原因である、という事態は、診断確定のためには多数症例をもつ高次施設への紹介が必要であることを示している。