ICUにおける人工呼吸後の嚥下障害、8人にひとり
Dysphagia in Mechanically Ventilated ICU Patients (DYnAMICS): A Prospective Observational Trial
背景
挿管後の患者ではしばしば新たに嚥下障害が発生する。スイスBern University HospitalのSchefoldらは、混合ICUの成人患者において、抜管後のシステマティックな嚥下障害スクリーニングを実施し、臨床アウトカムとの関連を調査した(n=1,304)。
結論
抜管後の嚥下障害スクリーニングでは、12.4%が陽性となり(緊急患者18.3%・予定患者4.9%)、このうち87.3%は専門医により24時間以内に確認された。ICU退室時の発症率は10.3%で、うち60.4%は退院まで陽性のままであった。嚥下障害を有する患者では、経管栄養日数・人工呼吸期間・ICU滞在/入院日数が長く、院内死亡率も高かった。90日死亡率のハザード比は3.74であった。
評価
ICU-acquiredな嚥下機能低下として近年注目されている(http://doi.org/10.1097/CCM.0b013e31829caf33、http://doi.org/10.1378/chest.14-1133)。本研究での発生率は先行報告より低いものの(http://doi.org/10.1186/cc10472)、アウトカム悪化につながる重要な因子であり、スクリーニング・リハビリは極めて重要である。