BRCA変異mCRPCでのPARP阻害薬、rucaparibも有効性示す:TRITON3試験
Rucaparib or Physician's Choice in Metastatic Prostate Cancer
背景
転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)男性の1割強がBRCA遺伝子変異を有しており、これらの患者に対してPARP阻害薬オラパリブの有効性が証明されている。これに続くPARP阻害薬として、rucaparibも第2相試験で有望な活性を示した。
フランスParis-Saclay UniversityのFizaziらは、BRCA1、BRCA2、ATM変異を有するmCRPCで、第二世代アンドロゲン受容体経路(ARP)阻害薬による治療後に病勢進行をみた患者に対し、rucaparibもしくはドセタキセル/第二世代ARP阻害薬(アビラテロンまたはエンザルタミド)を2:1で割り付ける第3相ランダム化比較試験TRITON3を実施した。
結論
スクリーニングを受けた4,855名のうち、405名がランダム化された。無増悪生存期間(中央値)は、BRCA変異サブグループでrucaparib群11.2ヵ月、対照群6.4ヵ月であり(ハザード比 0.50)、ITTグループでそれぞれ10.2ヵ月、6.4ヵ月であった(ハザード比 0.61)。ATM変異患者での探索的サブグループ解析では、両群の無増悪生存期間に有意差は認められなかった(ハザード比 0.95)。
評価
Rucaparibにより、BRCA変異mCRPC患者のPFSは有意に延長した。OSデータはimmatureであるが、クロスオーバーが許可されており、差が出るかは微妙かもしれない。次の一歩として、PARP阻害薬とARP阻害薬の併用も検証が進んでいる。