市民救助者が多いほど院外心停止でのAED実施率も上がる
Association Between Number of Volunteer Responders and Interventions Before Ambulance Arrival for Cardiac Arrest

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
February 2023
81
開始ページ
668

背景

世界の複数の都市で、院外心停止(OHCA)に対してボランティアの市民救助者(レスポンダー)を派遣することで、生存率の改善を目指す取り組みが行われている。この種のシステムにおいて患者の生存率を左右する因子は何か。
デンマークCopenhagen UniversityのGregersらは、同国の首都地域および中央ユラン地域でボランティア・レスポンダー・システムが始動したOHCA症例を対象に、救急隊より先に現場に到着したボランティア・レスポンダーの人数が、心肺蘇生(CPR)やAEDの実施に与える影響を検討した(n=906)。

結論

救急隊より先に到着したボランティア・レスポンダーが1人、2人、3人以上の場合、バイスタンダーCPR実施確率(調整オッズ比)はそれぞれ2.40倍、3.18倍、2.70倍となった。また、AED実施確率はそれぞれ1.97倍、2.88倍、3.85倍となった。3人以上の場合、AED実施確率は1人の場合と比して1.95倍増加した。

評価

現場に到着したボランティアの数が多いほど、CPRや除細動の実施は増加した。当然予想される結果ではあるが、データとして示されたことは意義深く、ボランティア・レスポンダー・システムの実装における重要なインジケーターとみなしうる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)