市民救助者が多いほど院外心停止でのAED実施率も上がる
Association Between Number of Volunteer Responders and Interventions Before Ambulance Arrival for Cardiac Arrest
背景
世界の複数の都市で、院外心停止(OHCA)に対してボランティアの市民救助者(レスポンダー)を派遣することで、生存率の改善を目指す取り組みが行われている。この種のシステムにおいて患者の生存率を左右する因子は何か。
デンマークCopenhagen UniversityのGregersらは、同国の首都地域および中央ユラン地域でボランティア・レスポンダー・システムが始動したOHCA症例を対象に、救急隊より先に現場に到着したボランティア・レスポンダーの人数が、心肺蘇生(CPR)やAEDの実施に与える影響を検討した(n=906)。
結論
救急隊より先に到着したボランティア・レスポンダーが1人、2人、3人以上の場合、バイスタンダーCPR実施確率(調整オッズ比)はそれぞれ2.40倍、3.18倍、2.70倍となった。また、AED実施確率はそれぞれ1.97倍、2.88倍、3.85倍となった。3人以上の場合、AED実施確率は1人の場合と比して1.95倍増加した。
評価
現場に到着したボランティアの数が多いほど、CPRや除細動の実施は増加した。当然予想される結果ではあるが、データとして示されたことは意義深く、ボランティア・レスポンダー・システムの実装における重要なインジケーターとみなしうる。