進行尿路上皮がん初回治療にエンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブが有望
Enfortumab Vedotin Plus Pembrolizumab in Previously Untreated Advanced Urothelial Cancer
背景
進行した尿路上皮がんに対する初回標準治療はシスプラチンベースの化学療法であるが、効果は一時的で、毒性のため適さない患者も多い。
アメリカDuke UniversityのHoimesらは、シスプラチン不適格の局所進行・転移性尿路上皮がん患者に対して、3週サイクルでエンホルツマブ ベドチン(第1, 8日)とペムブロリズマブ(第1日)の投与を行う第1b/2相多施設共同試験を実施した(n=45)。
結論
一般的な治療関連有害事象(TRAEs)として末梢感覚神経障害・疲労・脱毛が、いずれも5割程度で認められた。29名(64%)はグレード3以上のTRAEsを有し(リパーゼ増加・斑状丘疹状皮疹・疲労)、また1名の死亡がTRAEsに分類された。中央値9サイクル後の客観的奏効率は73.3%、完全奏効率は15.6%であった。奏効持続期間(中央値)は25.6ヵ月、全生存期間(中央値)は26.1ヵ月であった。
評価
いずれも進行尿路上皮がん患者での単剤効果が実証されている薬剤で、ここではシスプラチン不適な患者の初回治療として検証され、7割を超える患者に奏効をもたらすという有望性を示した。この結果に基づきFDAにsBLA申請を行っており、第3相試験EV-302も進行中である(NCT04223856)。