BRCA変異膵がんでの維持オラパリブ療法、OSベネフィットは示せず:POLO試験
Overall Survival Results From the POLO Trial: A Phase III Study of Active Maintenance Olaparib Versus Placebo for Germline BRCA-Mutated Metastatic Pancreatic Cancer
背景
POLO試験は、初回プラチナ化学療法で16週以上進行がみられなかった生殖細胞系列BRCA1/BRCA2変異切除不能膵がんでの維持療法として、オラパリブまたはプラセボを3:2で割り付けた第3相ランダム化比較試験であり(n=154)、オラパリブ群で無増悪生存期間が延長することを報告している(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1903387)。
アメリカUniversity of ChicagoのKindlerらは、同試験における全生存期間を含む最終解析結果を報告した。
結論
全生存期間(中央値)は、オラパリブ群19.0ヵ月、プラセボ群19.2ヵ月で有意差はなかった(ハザード比 0.83)。ただし、両者のKaplan-Meier曲線は24ヵ月あたりから分離しており、推定3年生存率はそれぞれ33.9%、17.8%であった。最初の後続治療または死亡までの期間(ハザード比 0.44)、2番目の後続治療または死亡までの期間(0.61)、試験治療中止または死亡までの期間(0.43)は、いずれもオラパリブ群で優った。
評価
OSに差はみられないという結果に終わったものの、長期生存した患者はオラパリブ群で多く、後続治療までの期間延長も含め、臨床的ベネフィットは否定し難い。

