シスプラチン不適の局所進行頭頸部がんにドセタキセル化学放射線療法
Results of Phase III Randomized Trial for Use of Docetaxel as a Radiosensitizer in Patients With Head and Neck Cancer, Unsuitable for Cisplatin-Based Chemoradiation
背景
シスプラチンは放射線治療のラジオエンハンサーとして働くが、不耐・不適患者も多く、これらの患者におけるオルタナティブが必要とされている。
インドTata Memorial HospitalのPatilらは、化学放射線療法が計画され、ECOGパフォーマンスステータスが0-2で、シスプラチン不適の局所進行頭頸部扁平上皮がん患者を、最大7サイクルの放射線治療(RT)単独または同時ドセタキセル化学放射線療法へと割り付ける第2/3相ランダム化比較試験を実施した(n=356)。
結論
2年無病生存率はRT群30.3%、ドセタキセル群42%であった(ハザード比 0.673)。全生存期間(中央値)はRT群15.3ヵ月、ドセタキセル群25.5ヵ月であり、2年生存率はそれぞれ41.7%、50.8%であった(ハザード比 0.747)。ドセタキセル追加はグレード3以上の粘膜炎、味覚障害、嚥下障害の増加を引き起こした。
評価
腎機能・末梢神経・聴覚への悪影響、PS不良や高齢などシスプラチンが不耐・不適と考えられる患者は多く、有効な代替手段が求められていた。本RCTはドセタキセル併用RTが、RT単独よりも優れた生存率をもたらすことを示し、これらの患者に併用化学療法という選択肢をもたらした。