ソトラシブ、KRAS阻害薬として初の第3相有効性示す:CodeBreak 200試験
Sotorasib versus docetaxel for previously treated non-small-cell lung cancer with KRASG12C mutation: a randomised, open-label, phase 3 trial
背景
KRAS遺伝子変異は最も高頻度で見られるがんドライバー変異であるが、KRAS標的薬の開発は難航していた。しかし、G12C変異と選択的に結合する低分子化合物ソトラシブが、非小細胞肺がん(NSCLC)などを対象とした初期の臨床試験で有望な結果を示し、停滞していたKRAS阻害アプローチを大きく前進させた。
オランダNetherlands Cancer Instituteのde Langenらは、世界22ヵ国148施設でプラチナ化学療法とPD-1/PD-L1阻害薬治療後に進行したKRAS G12C変異切除不能NSCLC患者に対し、ソトラシブまたはドセタキセルによる治療を割り付ける第3相ランダム化比較試験CodeBreak 200を実施した(n=345)。
結論
無増悪生存期間(中央値)はソトラシブ群5.6ヵ月、ドセタキセル群4.5ヵ月と、ソトラシブ群で有意に延長した(ハザード比 0.66)。ソトラシブはよく忍容され、グレード3以外の有害事象、治療関連重篤有害事象ともドセタキセルより少なかった。
評価
KRAS変異治療薬として初の第3相有効性を示した。日本の肺がんの20人に一人(欧米では2-3倍)に認められる変異で意義は大きいが、KRAS G12C阻害薬にはすでに耐性獲得の問題も提起されている(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2105281)。またG12DやG12Vなど他の一般的変異もアンメットニーズとして残されている。

