長期スタチン服用は脳内出血リスクを下げる:デンマーク住民ベース研究
Association Between Statin Use and Intracerebral Hemorrhage Location: A Nested Case-Control Registry Study
背景
スタチンは虚血性脳卒中他の心血管イベントリスクを軽減するが、脳卒中既往患者では脳出血リスクを増すという報告がある。
デンマーク Odense UniversityのBoeらは、同国住民を対象として、この問題を検討するケースコントロール研究を行った(ケース2,164名:コントロール39,500名)。
結論
非使用者に対するスタチン現使用者の脳内出血調整オッズ比(aOR)は脳葉型で0.83、非脳葉型で0.84と、いずれも有意に低く、また使用期間が長いほど低かった。
評価
イスラエルの住民ベース大規模研究が示唆した結論(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29970405/)を、より精緻に確認した。未だエビデンスの積み重ねが必要だが、少なくとも低中用量ではスタチン長期使用に脳内出血危惧はない、とみられる。