日本ガイドラインを遵守すればDOAC服用者でもIVTは安全:国立循環器病研究センター
Intravenous Thrombolysis With Alteplase at 0.6 mg/kg in Patients With Ischemic Stroke Taking Direct Oral Anticoagulants
背景
欧米では、DOAC服用者の急性期脳梗塞に対する経静脈的血栓溶解(IVT)は最終服用後48時間以内を適応外とすることが推奨されているが、日本ではどうすべきか。
日本National Cerebral and Cardiovascular Center(国立循環器病研究センター)のOkadaらは、同施設IVT施行915例のデータに基づき、DOAC服用のIVT後症候性頭蓋内出血発生に及ぼす影響を検討した。
結論
出血発生例40中、IVT前の最終DOAC服用は、4時間以内10%、4〜12時間40%、12〜24時間47.5%であった。NIHSS 4点以上増を伴う出血にDOAC服用・非服用による差はなく、発症後3ヵ月のmRS:0〜2アウトカムにも差はなかった。発症36時間以内の全頭蓋内出血発生や発症3ヵ月以内の死亡率にも群間差はなかった。
評価
著者らの結論は、「日本ガイドラインを遵守すればDOAC服用者でもIVTは安全に施行できる」というものである。日本多施設での追試・確認が期待されるだけでなく、欧米でのDOAC使用とIVTの関連の再検討をも促す重要結果である。