一般集団向けの心血管リスク評価はがんサバイバーにも有効
Performance of cardiovascular disease risk prediction equations in more than 14,000 survivors of cancer in New Zealand primary care: a validation study
背景
がん患者では心血管疾患のリスクが上昇するが、このリスクを予測する方法はあるか?
ニュージーランドUniversity of AucklandのTawfiqらは、同国で心血管疾患リスク予測方程式を開発するために実施されたPREDICT open cohort studyに参加し、最初のリスク評価の前2年以内に侵襲性がんの初回診断を受けた患者(30〜74歳)を対象とした解析を行い、同研究で開発されたプライマリケア集団向けのPREDICT-1ツールが、がん患者においても正確な予測をしうるか検証した(n=14,263)。
結論
予測方程式は、実際の心血管疾患リスクに対して、男性で最大2.5%、女性では最大3.2%過小にリスク評価していた。ガイドラインに基づく臨床的リスクグループ別では、低リスクグループは2%未満の過小評価であったのに対し、高リスクグループは男性で2.2%、女性で3.3%過大に評価した。HarrellのC統計量は、男性で0.67、女性で0.73であった。
評価
40万人以上のデータから導出された方程式は(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(18)30664-0)、プライマリケア患者と同程度の精度で、がん診断後患者の心血管リスクを予測可能であった。サバイバーもまた、リスクツールのメリットを享受できるのは心強い。

