ICUの重症患者は毎日2%筋肉を失う:メタ解析
The rate and assessment of muscle wasting during critical illness: a systematic review and meta-analysis
背景
ICUに入室した重症患者では筋肉量の減少がみられ、長期にわたる影響を残すが、ICUでの筋力低下に関する統合されたデータは存在しない。
イギリスBarts Health NHS TrustのFazziniらは、成人重症患者20名以上を対象として、入室期間中の2時点で筋肉量を測定した研究を系統的に検索、そのデータを統合するシステマティックレビュー・メタアナリシスを実施した。
結論
3,251名の患者を含む、52件の研究が基準を満たした。これらの患者のうち、55%は筋肉量低下を定量的に評価され、45%はICU-acquired weakness(ICU-AW)を評価された。筋肉量の評価方法については、85%の研究がエコーを用い、残りがCTによる評価であった。最初の1週間で、重症患者の大腿直筋厚は一日あたり1.75%、断面積では2.10%失われた。ICU-AWの有病率は48%であった。
評価
メタ解析により、ICU入室中の重症患者の筋肉量低下を定量化した。このICU-AWはアウトカム不良と関連しており、改善のための介入が模索されているが、早期リハについてのRCTが失敗するなど、決定打を欠く状況が続いている。