左室梗塞における左房リモデリングの成因に新仮説
Atrial Infarction and Ischemic Mitral Regurgitation Contribute to Post-MI Remodeling of the Left Atrium
背景
急性心筋梗塞(AMI)後に左房(LA)リモデリングが起こることが多いが、その成因はほとんど研究されていない。スペインCentro Nacional de Investigaciones Cardiovasculares Carlos III(CNIC)のAgueroらは、ブタに3種の冠閉塞(LAI群:左回旋枝[LCx]LA分枝によるLA梗塞、LCx群:同LA分枝非閉塞、LAD群:左前下降枝閉塞)を生成してLAリモデリングを比較し、また、LAリモデリングと虚血性僧帽弁逆流(MR)との関連を検討した。
結論
LAI群において、LCx群・LAD群よりLA拡大が著しく、またLA機能不全が早期から現れ重症度も高かった。 また、虚血性MRはLAI群がLCx群よりも多く見られた。LAI群の組織検証により、高度線維化を伴ったLA梗塞が認められた一方、LCx群では間質の線維化のみが認められた。LAD群ではLAリモデリングは見られなかった。
評価
左室AMIにおけるLAリモデリングは左室機能低下の影響と考えられてきたが、LA梗塞が原因であるという仮説を初めて提唱した興味深い発端研究である。AMIにおけるMRの問題にも関連しており、患者レベルでの検討が必要となった。