ベル麻痺の小児にプレドニゾロンは必要か:RCT
Efficacy of Prednisolone for Bell Palsy in Children: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Multicenter Trial
背景
ベル麻痺に対する急性期治療として副腎皮質ステロイドが推奨され、広く使用されているが、小児における有効性のエビデンスは明確ではない。
オーストラリアPerth Children's HospitalのBablらは、ベル麻痺によって救急外来を受診した6ヵ月から18歳未満の小児患者を対象に、プレドニゾロン(約1 mg/kg)またはプラセボを割り付け、1ヵ月後の顔面機能回復を比較するランダム化比較試験を実施した(n=187)。
結論
House-Brackmannスケールにより評価された1ヵ月時点での顔面機能回復の割合は、プレドニゾロン群49%、プラセボ群57%と有意な差はなかった(調整オッズ比 0.7)。3ヵ月後までの回復はそれぞれ90%、85%で、6ヵ月後までの回復は99%、93%であった。重篤有害事象はなく、副次アウトカムにも概ね差はなかった。
評価
予定の540名に大幅に満たないまま試験が終了したため、信頼区間はかなり広いものの、いずれの地点でも両群の回復割合に差は認められなかった。ほとんどの小児患者はステロイドなしで回復すると考えられる。


